EPAとDHAで血栓を予防し、血液がサラサラになるというという話があります。EPAとDHAはどのような共通の効果があるのでしょうか。またEPAとDHAはどのような予防効果の違いがあるのでしょうか。
スポンサード リンク
スポンサード リンク
EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、サバやイワシ、サンマ、マグロ、カツオなど、青魚の脂肪(油)に多く含まれる多価不飽和脂肪酸です。通常の肉食(牛肉や豚肉等)などの脂は常温で固まりやすい飽和脂肪酸ですが、魚肉の油は常温では固まらない不飽和脂肪酸です。
北方の水温がかなり低い海にすむ魚類では、体内の油分が凝固した場合は、魚自体の生体機能を維持することができなくなります。マイナス45度まで固まらずに液体を保つ特徴をもつ、固まりにくい不飽和脂肪酸を体内に蓄えることで、血液の流動性を高めながら、魚自体の諸機能をを維持しています。
魚肉の油の健康効果が注目を浴びるようになったのは、グリーンランド北西岸のユマナクというイヌイット(エスキモー)の住む村落でのダイアベルグ博士(デンマーク)らによる疫学上の調査の結果をもとにした発見からはじまりました。「極北に住むイヌイットの人たちは、主食として魚やオットセイ、アザラシなど動物性食品に偏っているにもかかわらず、同様に肉食中心のデンマーク人と比較した場合、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの病気(虚血性の疾患)にかかる割合が統計的に低い」というデータが明らかになったものです。
スポンサード リンク
ダイアベルグ博士(デンマーク)らによるこの医学的な調査は10年間という長い期間継続され、デンマーク人(白人)とイヌイットの血液中の脂質(脂肪酸の構成比)に大きな違いがあることが判明しましたわけです。牛や豚の肉、野菜を常食し、あまり魚を食べないデンマーク人の血液中には、アラキドン酸(AA)いう脂肪酸が多いのに対して、魚、クジラ、アザラシなど海の動物を常食するイヌイットの血液中には、AAよりもEPAが多く含まれていたことがわかりました。ダイアベルグ博士らは、「魚の油に多く含まれるEPAが、血栓をできにくくして動脈硬化を防ぐのであろう」という画期的な仮説にたどりつき、これを世に発表しました。世界の研究者たちは、魚の油に多く含まれるEPAが、血栓をできにくくして動脈硬化を防ぐという仮説に対し、追試を行い、同じ肉食でもイヌイットが虚血性疾患にかかりにくい理由は、彼らが常食する魚肉に含まれる油(EPA)にあるというダイアベルグ博士(デンマーク)らによる仮説を立証することができました。
※血栓を作らせない(抗血栓)作用ではEPAがまさり、総コレステロール値や中性脂肪を下げる働きではDHAがまさるといわれています。
魚肉の油に含まれるEPAには、血栓を作らせない成分が多く、血液の流れをよくします。不飽和脂肪酸の種類には植物性の脂肪酸であるオレイン酸やリノール酸等がありますが、血栓を防ぐ効果はEPAのほうが際立って高いということがわかっています。そのほか、@血栓が固まるのを防ぐ作用(血小板凝集抑制作用)があり、血栓が血管に詰まる脳梗塞、心筋梗塞等の予防につながる。A悪玉といわれるコレステロール(LDL)値を下げ、善玉といわれるコレステロール(HDL)値を上げる作用があり、血管の動脈硬化等の予防につながる。B中性脂肪値を下げる働きがあり、高脂血症、脂肪肝等の予防につながるというEPAの3つの健康効果が確認されています。
※DHAは、とくに眼の網膜や脳の灰自質に多く含まれ、青魚では目玉の油に含まれています。血液をサラサラにする作用ではEPAと同様ですが、DHAにはあわせて、老人性痴呆症の予防、視力改善に効果が認められています。マウスによる実験でも学習効果(記憶力や学習能力の向上)など、DHAが脳神経のシナプス部分で神経伝達において重要なかかわりがあり、脳機能維持・向上に貢献することが数々の実験にて確認されているそうです。